■ 原村店 模様替え(3)
ようやく信州も梅雨入りしました。
春らしい気持ちのいい日を体で感じる前にジメジメした季節がやってきました。
最近の真夏のような暑さもあり、なんだか日本は四季がなくなってきてしまった感じがします。
さて今回は春に原村店の模様替えをした際の薪ストーブ展示ステージの第2弾の製作模様を紹介します。
(遅れてしまってすみません・・・)
前回はストーブマンUによるレンガを使った実用性も備えた簡単な炉を製作の様子をお伝えしましたが、(今もなおイントレピッドⅡのステージとしてお客様に展示をしています)今回は炉台・炉壁の実例として最近最も多いタイル貼りの製作工程をお伝えします。
タイルは種類が豊富でレンガをスライスしたようなモノから石材風や石積みのようなモノまで多種多様あり、住宅では玄関のアプローチや浴室、場合によっては家の外壁にまで使用されています。
もちろんタイルは基本的には不燃材になりますので薪ストーブスペースの炉台や炉壁にも多く使われています。
今回、展示スペース用で使用したタイルは100㎜角のタイルで一般的に玄関のスペースなどによく用いられるタイルを使用しました。
まずは使用するタイル炉台の寸法決めとなりますが、展示ストーブはバーモントキャスティングスのアスペンになるので縦長の炉台としました。(あくまで展示用なので最小の寸法にしました。)
当然、タイルを張る際には意匠上、タイルとタイルの間には目地を設けてすっきりとした仕上がりとしますので目地幅(約5~7㎜)も含めて横・縦の寸法を決定します。
次にタイルを実際に貼り付ける下地を炉台寸法に合わせて加工します。
レンガの場合、厚みが充分にありますのでレンガ自体をモルタルで盛ってレンガ敷きを行えば良いのですが、タイルの場合はそうはいきません。
薪ストーブの遮熱の安全性を考える場合、最も重視すべきは炉台の場合はその厚みが大きなカギとなります。(炉壁の場合は加えて空気層になります。)
タイルの場合は基本的には薄物になりますので下地に厚みのある不燃材をまず取り付ける必要性があります。
ここでは一般的なALC(発泡コンクリート)というものを下地に使用し、寸法に合わせて加工し、その後タイルとの貼り付けの相性を良くするために下地の処理を施します。
次にいよいよタイルの貼り付けとなりますが、通常は左官屋さんは専用の道具を用いてタイル貼りの作業を行いますが、ストーブマンNは荒業でそのままセンスと感覚のみでいきなり貼り付けていきます。
(実際のお客様のお宅ではこうもいきませんが・・・)
とはいえ仕上げに前回のレンガ製作と同様に炉台に木枠を組んで見切り敷居としますので、外枠の部分からしっかりと平行に貼り付け、かつコーナーは垂直にして慎重に貼り付けていきました。
木枠を組んだときにタイルとの間に隙間ができると格好悪いですからね。
ようやくタイル全体を貼り付け終えると、すぐさま目地部分を目地材で充填し、湿らせたスポンジで拭き取りながらきれいに仕上げていきます。
(結構、この目地作業が仕上がりを左右しますので少し時間を要します。)
最後に見切り敷居を取り付けて、展示ストーブを設置すればあっという間の炉台スペースの完成です。
(製作時間は約4時間です。)
タイル貼りは使用するタイルによっては貼り付け作業から仕上げまでやや慎重さと熟練を必要とし、特に炉壁を必要とする場合には下地のALC自体に空気層を設けて自立させなければいけないので困難さを伴いますが、今回のように炉台のみであればレンガ敷きと同じく簡単に誰でも行うことができますので皆さんも是非、チャレンジしてみて下さい!!
次回はストーブマンHが手掛けた炉壁もタイル貼りとしたストーブスペースの製作の様子をお伝えしますのでお楽しみに。
(大作になりましたのでご期待下さい。)
2010・6・15 ストーブマンN